実はよく知らない「シロアリ」
「シロアリを実際に見た」と言える人ってそうそういません。
シロアリかな?と思える程度で、意外とシロアリと判別できる人も居ません。
何故ならシロアリは「人に見えない場所にしかいない」からです。
また、シロアリは家などを食い荒らす「害虫」の代表と言っても過言ではありませんが、実は自然界の中では非常に役に立つ「お掃除屋さん」なのです。
シロアリ=駆除
とすぐに殺虫剤を持ち出さずに、一度シロアリについて学んでみましょう。
シロアリとは?
シロアリはゴキブリの仲間?
シロアリはごく当たり前に生息している昆虫です。
シロアリは元々森などの森林を住処として、木などのセルロースを栄養とする数少ない生き物。
倒木や枯れた木などを土に還す”森の分解者”と言われ、食物連鎖の循環に役立つがシロアリです。
誰が数えたかは分かりませんが、地球上でもっとも数の多い昆虫と言われ、生態系の維持・循環に役立っています。
意外と知られていませんが、実はシロアリは「ゴキブリの仲間」です。
「アリ」とつくので「黒アリ」の仲間と思われていますが、黒アリは蜂の仲間です。
黒アリはシロアリを食べる事は知っている人は少ないでしょう。
シロアリも黒アリも「社会性昆虫」であり、集団の中で役割などの階層で決めて分担しているので、「アリ」として名付けられたとされています。
黒アリ:ant
シロアリ:termit
シロアリと黒アリは、英文名ではきちんと分類されています。
羽アリ=シロアリ?
詳しくは「シロアリの種類」で説明をしますが、その前にシロアリの階層について学びましょう。
シロアリは「女王アリ」がTOPに君臨し、その後「職アリ(しょくぎ)」「兵アリ(へいぎ」で集団生活を巣(コロニー)で行っております。
シロアリの女王は寿命10年以上もあり、次の副女王アリを生み出し約3年で5~10万匹もの集団を作ると言われています。
家を建てる際などに、シロアリ駆除の薬品を撒く事がありますが、シロアリ駆除の薬品は基本5年しか持ちません。
一方シロアリ女王は10年以上も寿命があるので、1回きりの薬剤散布でのシロアリ対策は意味を成しません。
「羽アリ=シロアリ」
と大量の羽アリが家に襲来しシロアリ対策に乗り出す人が多いですが、羽があるからと言ってシロアリとは限りません。
シロアリの場合が多いですが、黒アリにおいても羽があるものがいるので、羽アリかどうかをまず見極める事が重要です。
シロアリの羽アリは、巣が一定以上の規模になった時や、繁殖の時期に飛び立つとされています。
なお、シロアリの羽アリには羽ばたいて飛ぶ能力がないので、風に乗って流されて飛来する事がほとんどです。
よって「大量に来た」となるのは、多くの場合同じコロニーにおいて同じ場所から飛び立ち、同じ風によって飛来した可能性が高いです。
大量の羽アリに遭遇した場合は、「シロアリ」の可能性が高く、また近くに巣(コロニー)がある可能性が高いので、そのような場合は「シロアリ対策」を検討しましょう。
シロアリの天敵は?
シロアリはタンパク源が豊富な昆虫です。
小さな体の為に、他の昆虫に食べられたり、スズメやツバメの餌になったり、蜘蛛にも食べられたりと、天敵は多いです。
また数匹羽アリが飛来したとしても、オスとメスの番(つがい)にて営巣ができる確率はかなり低く、シロアリ駆除を行ったとしても近隣に迷惑をかける事は非常にまれです。
外部に新しい本巣をつくる事ができるまでに育った本巣が近くにある場合は、本巣によるシロアリの被害の可能性は高いです。
ただ羽アリ数匹見つけただけでは、被害がある可能性は低いです。
重要な事は、「本体のシロアリの営巣が実被害をもたらしているかどうか?」
シロアリの行動範囲は、本体のコロニー(本巣)から、途中の営業支店のようなコロニー(分巣)という形で餌場まで伸びており、最大半径100メートル以上になる事もあります。
例え自宅にシロアリの本巣になるようなところがなくても、隣の家の切株や古い腐った樹木から分巣を通じて侵入してくる事もあるので、羽アリはその可能性を教えてくれる信号(シグナル)として捉えましょう。