これはシロアリ確定サイン?
木材を主食とするシロアリ。
木材を主な建築材料にしている日本。
シロアリにしてみれば自分たちの方が先に存在していたのですから、元々持っている食性のために害虫扱いされるのは迷惑かも知れません。
しかし、木材は持続的に国内で需給を賄うことが可能で高温多湿の日本の環境に最も適した建材です。
この先、どんなに技術が進んでも建築材料として木材の優位性は変わることはないでしょう。
シロアリの被害から大切な家を守るための努力はこれからも続けていかなくてはいけません。
プロを使う前に、まずは自分でシロアリの調査
シロアリの活動は目に見えないところで
シロアリは太陽光線や空気の乾燥を嫌う性質を持っています。
他のアリたちのように目につく場所で活動しません。
その性質のため、シロアリの被害は目に見えない場所で広がっているのです。
一見、なんの変化も見られない木材の柱。
ある日、柱の根元に木の屑のようなものが積もっているのに気づく。
柱を叩いてみると「ボコボコ」と中が空洞のような音がする。
柱の一部を剥がしてみれば、中身はすっかりシロアリに食い荒らされていた……
こうなってしまってはすでに手遅れかも知れません。
早期の調査が肝心
マンションでも見つかる事も
シロアリが生息している痕跡が、普通に暮らしている状態、しかも屋内で目につくようになってからでは遅いのです。
そうなる前にシロアリがいるのかいないのか、実際に調査してみてください。
築5年以上経って家なら、すぐにでも調査を開始することをお奨めします。
5年経っていなくても元湿地や用水池だった、田んぼを埋めて造成したといった湿気の多い土地に家を建てたなら、新築でも念入りに調査してみて損はありません。
シロアリの調査は無料で出来る時代
シロアリの調査はセルフでできる、でも……
シロアリの被害を調べるのは自前でも可能です。
いくつかのチェックポイントを踏まえた上で、庭、建物外側、屋内それぞれをチェックします。
例えば、
- 庭の古い切り株に食い荒らされた痕がある
- コンクリートの基礎の部分から木材に向けて目の細かい蜘蛛の糸でつくったようなトンネルを見つけた
これはどちらも要注意のサインです。
しかし、素人の目には限界があります。
誰にでもわかるような痕跡が見つかってからでは手遅れかも知れません。
シロアリ駆除業者の調査内容
シロアリ駆除業者って何するの?
屋内でシロアリを見つけてしまった
屋内でシロアリの被害箇所を見つけてしまった
上記の時はプロに調査を依頼しましょう。
既にシロアリが屋内(家の中)にいる場合は、セルフ駆除(DIY)では徹底的な駆除はできず、見えているシロアリだけの駆除程度しかできません。
プロの業者は、専門の用具を使い床下や天井裏、壁の内側の状態まで入念にチェックしてくれます。
シロアリの生息が確認できなければ、調査だけでは費用は一切かかりません。
万が一見つかったときは、適正な駆除計画を示してくれます。
以前は調査費、出張費などを請求され
「シロアリがいなかったのに結構な金額を支払わされた」
という不満の声もありました。
今は業者側が「無料調査は顧客確保のための宣伝費用」という発想の転換で積極的に無料調査を行っています。
安心の為にも「日本しろあり対策協会に加入をしている業者」かどうかをチェックしましょう。
悪徳シロアリ業者・シロアリ詐欺に注意
本当にプロの業者?
宣伝費なしだから無料調査にこだわる業者
「無料で調査します」
“無料”という言葉の中には「それはおトクだ」という意味と「それは怪しい」というふたつのニュアンスが含まれているように感じます。
それはとても正しい感覚です。
「無料調査」が赤字覚悟のサービスであれば多くの業者が続けていけるはずはありません。
ほとんどのシロアリ駆除業者は、無料調査を行う方が不特定多数の人に向けた広告を打つよりも費用対効果が高いと思っているからです。
実際にお客様と接することができる貴重な機会です。
その時にシロアリが見つからなかったとしても数年後の再調査の約束を取り付けることができるかも知れません。
「あの業者は親切だ」
という口コミが広がればなによりの宣伝になります。
逆に言えば1回数千万円が必要とされるテレビCMなどを流すシロアリ駆除業者は、それだけ儲けているという事になります。
一般的に聞いた事もない業者名であっても、優良なシロアリ駆除業者もいますのでネームバリューだけで選ぶよりは「はっきりと料金を前持って教えてくれる業者」を比較し選びましょう。
無料調査に潜むシロアリ駆除悪徳業者
薬を撒くだけの業者では?
「無料」を餌にして人を詐欺にかけようとする悪徳業者があることも事実です。
悪徳業者のつかう詐欺の手口は様々です。
- 「調査の結果シロアリの死骸が見つかった」といって前もって準備していたシロアリの死骸を見せる
- 床下のアップ写真だといって場所が特定できないような、シロアリに食い荒らされた基礎部分の写真を見せる(これも前もって用意してきています)
- やたらと床下換気扇の設置をすすめる
多くの悪徳業者の詐欺に共通しているのは、
- 「無料」を前面に押し出して無理にでも家に上がり込もうとする
- 見積もりを要求してもきちんとした見積書を提出しない
- すぐにでも契約して工事と始めようしたがる
詐欺に遭わないためにも、どの業者を選べばいいか不安な方は「公営社団法人しろあり対策協会」に加入している業者を選んでみて下さい。
または、市役所などの自治体の窓口で紹介してもらうと安心です。
シロアリ調査前に確認しておきたい5つのこと
他人を家に上げるのはちょっと……
築五年以上経っている場合はプロに調査を依頼してみることをおすすめします
(湿気の多い立地なら新築でも)。
それでも、
「いるのかいないのかわからないシロアリの調査のために、他人が家の中を調べるのは嫌だな」
と思う方が多いのではないでしょうか。
確かに、シロアリ調査の場合、入って欲しくない場所には立ち入らないといっても床下は必ず点検します。
点検口は台所の床下収納だったり、洗面所・脱衣所など、普段、人には見せないような場所にあるのが常なので余計にそう思ってしまいます。
シロアリ被害をセルフチェックしてみる
いきなりプロに調査依頼するのはおっくうになりがちです。
そこで、まずは自分の目でシロアリがいるのかいないのかをチェックしてみてはどうでしょうか?
シロアリの調査を依頼することを前提にすれば、業者に見せなくてはいけない場所を片付けながらチェックできます。
いつもより少し念入りに掃除するつもりで、場所ごとに5つのチェックを行いましょう。
屋外(庭)
- 古い切り株や畳が積んである時は表面を剥がして中をチェック。虫が食い荒らした痕はありませんか?
- 家屋の基礎部分に“蟻道”がありませんか?蟻道はアリが地面から木材に向かって体液や土、木の屑でつくったトンネルのことです。
- 蟻道があった場合、それはシロアリのものですか?他のアリも蟻道をつくりますが、シロアリのそれは途切れのないパイプ上で固いのが特徴です。
- 羽アリはいませんか?
木材以外の屋根瓦やコンクリートブロックが置いてある場合もチェック。シロアリはこういったものにも食痕を残します。
屋内(家の中)
- 柱の下に木の屑がたまっていませんか
- 柱を叩いて空洞のような音がしませんか
- 柱・床・押し入れがカビて変色していませんか
- 床がボコボコとする箇所はありませんか
- ドアやふすま、障子の立て付けが悪くなっていませんか
ひとつでもチェックが入るようなら迷わずプロの調査を依頼しましょう。
まとめ
シロアリの被害を防ぐためには「シロアリを繁殖させない」ことです。
早期発見が一番のポイントなのです。
そのためには定期的な調査を行うことが大切です。
調査は自分で行うこともできますが、あくまでもそれは調査の前の事前調査。
最終的にはプロにお願いしましょう。
以前はそれなりに必要だった費用も今では無料です。
無料につけ込んだ悪徳業者も存在するので注意は必要ですが、悪徳業者はその態度からおのずとわかってしまうものです。
毅然とした態度で断りましょう。
業者選びに困ったら公共の窓口に相談してください。
補助を受けられる場合もありますし、雑損として所得税の控除対象にもなります。